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Author:みかん
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[書籍] ピグマリオン(光文社文庫)

映画「マイ・フェア・レディ」の原作であり、
著者バーナード・ショーがホームズの贋作に出てきたよしみで、読みました。
慣れない戯曲だけど、そんなの関係なく、面白かったです!!


photo
ピグマリオン (光文社古典新訳文庫)
George Bernard Shaw
光文社 2013-11-08
評価

by G-Tools



偏屈で女嫌いな言語学者ヒギンズは、貧民街の花売り娘イライザの訛りを矯正し、レディに仕立て上げることになる。
イライザは見事立派なレディになるのだが――。

映画を先に観ていたのでどうしてもそのイメージになってしまったけど、特に違和感なかったですね。

マイ・フェア・レディ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]


ざっくり感想は続きから↓
(ネタバレなし)



ざっくり感想


文学読んでこんなに笑うことがあるとは思わなかった!



イライザ訛り


「花買っちくりよ〜」や「うぅええええぇぇぇぇええ!」、ハ行がア行になったりと、訳者さん独自の訛り表現とのことですが、面白いと同時に分かりやすく、すらすらと読めました。
覚えたての上品な口調で一生懸命振る舞うけどすぐにボロが出て一気に総崩れする第三幕なんて、特に笑えた!
イライザは物怖じせず、元気はつらつ、器量よし。見ていて楽しそうな子です。
ギャーギャーわめいたり、暴れたり、悪態ついたりしていた小娘が、美しくしとやかな貴婦人に大変身!!乞うご期待!!

やはり自分のような文学初心者には光文社の新訳は合ってるのかもしれない。読書という行為が長らく億劫だった人間にとって、まず読み易いということは何より大事です。門戸開放。



花売り娘と紳士たち


ヒギンズがまた面白い男で。
潔いほど無神経で、傲慢で、傍若無人で、言葉を教える立場のくせに口がめっぽう悪く、お子ちゃまで、マザコンの気がある独身主義者。何様って感じだけど、妙ににくめないんだよなぁ。一線超えてて逆に清々しいというか、いい人ではないけど偽善者でもないというか、目が離せない。ああいう言い方しかできない不器用な人なんだよってかばいたくさせる何かがある。現実にいたら決してお近づきにはなりたくないけど。

イライザはそんなヒギンズでもちゃんと恩義を感じ、一定の尊敬をし、そして意識もしてる。
言うべきことはピシャっと言ったけどね。あれはスカッとしたなぁ!!思いの丈をついに告白したような、断罪しているような、怒濤。

ヒギンズの家に居候(?)しているピカリング大佐は、終始紳士でありました。下層社会の娘だからといってイライザをゴミくずのように扱うヒギンズとは対照的に、ひとりの女性として丁重に扱う。時にはヒギンズに悪ノリしちゃうこともあったけど、間違いはすぐ認め謝罪できる常識人。イライザの努力を労い、褒めて、導いてくれる、優しい父親のような存在。

打てば響くイライザは、実験対象という無機質な存在ではなく、ヒギンズ自身も彼女から教えられることがあったはずなのに、きっと気付かないふりをして、「こいつはどんなに着飾ってお嬢様ぶったところで所詮みすぼらしい花売り女」というレッテルを貼って思考を停止してたんだろうなぁ。

ヒギンズとイライザ、最初は立派な(←皮肉)中年紳士と貧しいじゃじゃ馬娘に見えたふたりが、大人になれない中年男と成長した大人の女性になっていた、そんな感じでした。

ところでヒギンズ&ピカリングっていやおうなくホームズ&ワトスンを連想させるんだけどね!それでにくめないのかなぁ、ヒギンズは(笑)ホームズはここまであからさまに失礼な人ではないけども。



お父ちゃん


あと、忘れてはならない強烈な人物が。
主役を食う勢いでした。イライザの父親ドゥーリトル。
口が達者で、ひょんなことからトントン拍子でのし上がるんだけど、アホな成金で終わらないところがいい。
中産階級になったばっかりに毎日が地獄だとか。じゃ貧乏人に戻ればと言われると、いやいや実はそこが情けないところで、ついつい誘惑に負けちゃうんだよね、との返し!!自分でも分かってるんですな。そしてそのあけっぴろげなところが魅力的です。

それから、

P98
ピカリング あなたには道徳ってものがないのかね?
ドゥーリトル (まるで恥じることなく)そんなもん、持ってる余裕ねえよ。旦那らだってあっしぐれえ貧乏だったら、そうなるって。

おっしゃるとおり!まるで恥じることなく!「衣食足りて礼節を知る」だなぁ。ピカリングさんの台詞は価値観の押し付けに過ぎないもの。
何事も自分の価値観だけで測ってはいけないですね。肝に銘じよう。



恋する青年フレディ


イライザに恋するフレディがなんとも頼りない。いいとこのお坊ちゃん(但し実状はけっこう貧しかったようだ)で苦労知らずで夢見がちな印象。「カワイイなぁ〜♪お嫁さんにしたいなぁ〜♪」くらいのことしか考えてなさそうだもの。バカなのかもしんない(笑)けど、イライザの生まれや育ちを一切気にせず、自分にとって何が真に幸せなのかを知っている、そういう賢さはあると思うのです。何を賢いと呼ぶのかよく分からなくなってくるけど。純真なんだろうな、と勝手に思ってます。イライザは教養こそないけど苦労人で働き者で自立心と向上心にあふれる女性で、好対照なふたり。

「マイ・フェア・レディ」では若き日のジェレミー・ブレットさんが演じてて、それはもう目の覚めるような美青年でした!!だから、なんとかフレディの株を上げたくて仕方ないのだ!!(笑)



締めのお言葉


最後にイライザの名台詞を拝借。

P211
本当の意味でレディと花売り娘の違いは、どう振る舞うかではなく、どう扱われるかにあるのです。


以上♪

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