プロフィール

みかん

Author:みかん
東京在住30代♀の趣味戯言ブログ。
ピアノ、読書、映画、iPhone、文具など、浅く気ままに。
RolandのHP205を愛用♪


iianbaiMikan

耳コピ楽譜まとめ
カテゴリ

openclose

ブログ内検索/全記事一覧

全記事一覧/全タグ一覧

RSS
rss follow us in feedly
152

[書籍] 不思議の国のアリス(新潮文庫/矢川澄子訳)

アリス読み比べ第2弾。
角川文庫(河合祥一郎訳)に続いて、新潮文庫を読了。

4102401016不思議の国のアリス (新潮文庫)
作:ルイス・キャロル
訳:矢川澄子
絵:金子國義
新潮社 1994-03-01

by G-Tools


全体の感想


「〜でね」、「〜だとさ」といった語りの文体で、先の角川文庫よりも簡潔でテンポ良く感じられました。
昔話のような温かみがあって、読み易かったです。

語りというスタイルだと、読み聞かせを意識したのかな?と思ったのですが、読んでいくと、耳で聞いただけでは分かりにくい表現――漢字の読み方の工夫など、目で見て「おっ!」と楽しめる表現――もけっこうあったので、ただスタイルとして語っているだけなのかな。

実際、作者が少女に即興で話して聞かせた物語だから、語りスタイルは正しいと言えなくもないのかも。

アリスの一人称が「あたし」な点は、個人的には残念でした。

挿絵は、文章の雰囲気と合わないですね・・・おしゃれでちょっととがった現代的なテイストと、やや古風な(そこまで古めかしくもないけど)温かい文章。絵と文、それぞれの持ち味をお互いに打ち消し合っている気がしないでもありません。ただ、この挿絵のアリスは、「あたし」って言いそう。


いいなと思った日本語訳


角川版ほどには訳で感動することはなかった(角川版は「最初に読んだ」っていうアドバンテージも当然ある)けど、いいなと思った箇所はここ。

原文:https://sites.google.com/site/aliceinoriginal/09
“He taught Laughing and Grief, they used to say.”
楽天語義理者語、教えてたとか
ラテン語ギリシャ語とルビあり。

当て字などではなく普通に通用する日本語を使いながら、原文にも忠実(?)で、とてもスッキリ!
今これを書いている時点で既に何冊かこの部分を見比べてますが、この訳が一番まとまっている気がします。


《孤独》


「兎穴と少女」訳者あとがきより。

筆者の心にあるものは終始、《少女の孤独》ということなのです。
あれだけ饒舌な議論やことば遊びが氾濫していながら、真の意味での対話なんてものはどこにも成立してはいません

なるほどー!全く考えもしなかった。孤独かぁ。
確かに、絶えずいろんな登場人物とおしゃべりし、にぎやかに進行はするけれど、会話のキャッチボールは全くなってない。どんなにたくさんの人と話しても、誰ひとりとして心が通い合わない孤独。もう、全っ然話は噛み合わないし、意味不明なこと言ってくるし。自分がこうだと信じていた常識や価値観が通用せず、アイデンティティが崩壊の危機。実際アリスは、自分が自分じゃなくなったような不安に苛まれますが、これは恐怖です。

それに、みんな相手が子どもだろうと容赦なく、すぐ怒るわ、物は投げるわ、処刑宣告するわ。どいつもこいつもよく怒ってますね。どなたか、穏やかな方はおらんのですか。急募、癒し系。
ああそうか、こんなにも幼い子どもに決して優しくない世界じゃ、アリスがおとなしくて気弱な子だったら、やってゆけないかもなぁ。ゲームの主人公が臆病者では、話が先に進まない。後先なんか考えず、何にでも首を突っ込んで、人を見たら敵と思えの勢いで突き進んでくれないと。(笑)

少くともわたくしにとっての少女アリスとは、そのような孤独な存在の代名詞であり、またその孤独ゆえにこそ、性別を問わずおなじような痛みを裡に秘めた人びとの永遠の友人であってくれるであろうと、ひそかに信じつづけてもいるのです。

個人的には「アリス」と「孤独」は重ならないなぁ。アリスが「孤独な存在の代名詞」っていうのはいまいち共感できないです、今のところは。もっと深く読んでいくと、いつか、はたと気付くのかもしれないけど。孤独と言うならアリスよりむしろ作者のほうが密接に結び付いてしまいますね。


とりあえず、何かとどんくさい自分の「永遠の友人」であってくれそうなのは、、、トカゲのビルあたりかな(笑)


不思議の国のアリス (新潮文庫) 不思議の国のアリス (新潮文庫)
作:ルイス・キャロル
訳:矢川澄子
絵:金子國義

by G-Tools


以上♪
関連記事
0

Comment

Comment Form

Comment Form
Return to Pagetop