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Author:みかん
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[書籍] ロボット(R.U.R)

"人間になりたかったのです。"  。゚(゚´Д`゚)゚。


4003277422ロボット (岩波文庫)
カレル・チャペック Karel Capek
岩波書店 2003-03-14

by G-Tools


「ロボット」という言葉を世に出した戯曲。
チェコ語で「賦役」という意味の robota が語源だそう。


ざっくり感想は続きから↓
ネタバレあり




ざっくり感想


人間に代わって労働していたロボットが反乱、勝利。
しかしロボットは自らを、生命を生み出せない。
愛が芽生えたひと組のロボット。
唯一生き残った人間、生命の不滅を叫び、完。

よかれと思って「人間らしく」つくった結果、反乱を起こされるという皮肉。

戯曲だからか何なのか、個人的にはとっても読みづらかった〜。展開が唐突だったり、臨場感が薄かったり、心理についていけなかったり。辟易する台詞もあったし。登場人物への愛着や感情移入といった類は途中で諦めました、なんか、そういうんじゃないのかもなって。

ウェルズの「タイム・マシン」とか手塚治虫の「火の鳥」、星新一の「ゆきとどいた生活」など、いろいろ思い出してゾクゾクした。

作る、造る、創る。「つくる」の漢字はどれが相応しいんだろう。



いまいましい楽園


ロボットの製造工程に人間性を加味したことによる悲劇。
善意でしたこととはいえ、残酷で中途半端な優しさでしかないようにも思える。
でも、ロボットを人間にしてやりたかった気持ちを責めることもできない。
そりゃ情もわくし、かわいそうにもなるよね。なんせ見た目が人間なんだもの。

ロボットが人間そっくりの外見である理由は、ロボットを人間にしたい理由と同等もしくはそれ以上に、個人的には抵抗あり。

それから、人間に子どもができなくなったという背景がある。(もしかして人類全体の危機感がロボットを人間にしようと駆り立てた!?なんつって)

なぜ人間の子どもが生まれなくなったのかという問いに、のちに唯一生き残ることになる建築士アルクビストが答える。

それが必要ではないからです。私たちは楽園にいるからです。

なぜなら人間が働く必要がないからです。痛みを感ずる必要もなく、人間はエンジョイする以外何も、なんにも、まったくする必要がないからです。――おお、これこそいまいましい楽園です!

ふむふむ。いや、うむぅ?答えのような答えになってないような。某小説に出てくる、地上の楽園で遊び呆けるおバカさんたちみたいだなぁ。

死なないために痛みがある → 生きるために痛みを与える?

苦境に立たないと人間、創意工夫や努力をしないよなぁ。水は低きに流れる。おおお耳が痛い(;´∀`)


ロボットに許された人間 アルクビスト


このアルクビスト、野心ある他の登場人物と比べると、「自分は老いた一介の建築士、レンガを積んでる時だけが幸せだ」といった風な、どこか人生を諦観した人。けどそれゆえに、人間なのに(ロボットに命令せず)ロボットのように労働している、という理由で殺されずに済む。おああなんて皮肉!(むしろどっちかっていうと死にたがってなかったっけ?)

一つの目は人間を悲しんで泣き、もう一つの目はロボット、君たちをいたんで泣いているのさ。



ロボットをつくった男 ドミンと、ロボットを人間にしようとした妻 ヘレナ


ロボット製造会社の社長ドミンは、こういう男↓

ロボットたちは生きることに執着していないのです。そもそも何のために生きるかを知らないし、生きる喜びを持たないのです。あの連中は雑草以下なのです。

ドライで冷たいようだけど、彼はあくまで人間を思って人間のためのより良い社会をつくろうとしてただけで、人間とロボットとの間にしっかりと線を引いていたのだと思う。生きることに執着せず、生きる目的も知らず、生きる喜びも持たない、人間の命令通りに働く、そういう風につくったというだけのこと。たとえば私の生活を便利で楽しいものにしてくれるスマホやPCと同じようなものだ。ただ、見た目が人間そっくりかそうでないかという違いがあるだけのこと・・・。

まさか奥さんのヘレナによって理想を壊されるどころか人類が滅亡するとは思わなかっただろうな。
夫のつくったロボットを人間にしようとしたヘレナ。
ん、でもヘレナは人権連盟だか何だかの会長の令嬢だったよなぁ。ただ使役されるだけの労働ロボットにはじめから同情的だったから、危ないっちゃ危なかったと思うけどね。

ヘレナの願いを実際に実現させたのはガル博士という人だったけど、まさかヘレナに惚れてたからってだけでハイハイ言うこと聞いたわけじゃないよね?と思いたい。マッドサイエンティスト的な動機もあったんじゃないかなと思う。

ちなみにヘレナに惚れてたのは登場人物の男性ほぼ全員!これにはちょっと面食らいましたが(笑)

生きることに執着していた人間はみんな死んじゃって、アルクビストだけが取り残された。「人が滅びても、俺だけ生き残るなんて滑稽だわ!」と言ったかもしれないし言ってないかもしれない。言ってない。


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photo credit: beatplusmelody via photopin cc
▲三鷹の森で僕と握手!



人間になりたいロボット


第三幕で、新型ロボットたちの心の叫び(敢えてこう書く)がストレートに胸を突いてくる。

わたくしたちは人間のようになりたかったのです。人間になりたかったのです。

うわぁ(涙)ちょっと駄目、、、全部ぶっ飛ぶ、なんだろう、このひとことだけで涙腺が刺激されてしまうよー(´;ω;`) バカッ!ヘレナのバカッ!ドミンのバカッ!



生命は不滅です!


最後、アルクビストの魂の叫び。

生命は不滅なのだ! それはふたたび愛から始まり、裸のちっぽけなものから始まる。それは砂漠に根を下ろし、われわれが作り、建てたものは役に立たない。町や工場、われわれの芸術、われわれの思想は生命には何の役にも立たない。それなのに生命は亡びないのだ。ただわれわれだけが亡んだのだ。家々や機械はくずれ落ち、世界の体制は壊れ、偉大な人々の名は木の葉のように落ちていく。ただお前、愛よ、お前だけが廃墟で花を咲かせ、生命の小さな種を風に任せるのだ。

不滅です!不滅です!

もう一回はじめからやり直そう!生命は倒れても何度でも起き上がるのだ!

文明がロボットを作り、情がロボットを人間にし、愛によって生命の可能性が。
まだどうなるかわかんないと思うけどね。でも、この希望のある結末はすばらしいと思いました。

人間が今まで築いてきた努力の結晶は、生命にとってはまったく取るに足らないものだった(ノ∀`)アチャー!っていう絶望も傲慢も狂気も、まるっと飲み込んで中和してくれる母なる海のようなものを感じます。とてつもない歓喜。

人間は滅びるけど、大きなうねりの中では、それは結果ではなく過程に過ぎない。

そして嗚呼、そんな大事件が起きているのに、人類が滅んでも、ロボットが生まれても、宇宙から見たらどうってことないんだよなぁ。。。
さて、明日も元気に人間やりますか。


ロボット (岩波文庫) ロボット (岩波文庫)
カレル・チャペック Karel Capek

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以上♪

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